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会長声明集

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2026年(令和8年)11月02日

「防災庁」設置に関する会長声明

日本司法書士会連合会

会長 小澤 吉徳

本日、政府における災害対策の司令塔を担う「防災庁」が新たに設置された。近年、激甚化・頻発化する自然災害に対し、平時からの事前防災、発災時の迅速な初動対応、そして被災者の生活再建に至るまで、国を挙げての一貫した危機管理体制が構築されることは極めて意義深く、当連合会はこれを大いに歓迎するとともに、東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故の際に一元的窓口として被災地の要望や課題を精査し、関係省庁の復興政策に反映させてきた復興庁の手法が活かされることに期待を寄せる。

私たち司法書士は、平成7年の阪神・淡路大震災を契機として、本格的な災害復興支援活動を開始した。以来、東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故、平成28年熊本地震、令和6年能登半島地震、令和8年熊本地震をはじめとする全国各地の災害において、全国の司法書士会及び関連団体と連携し、被災地の最前線で無料法律相談や電話相談を継続的に実施してきた。

災害がもたらす困難な問題は、家屋の損壊や生命の危機にとどまらない。住居の喪失に伴う住宅ローン等の債務問題、被災建物の解体や滅失登記、遺産分割協議や権利関係が複雑化した被災地の土地の相続問題、災害に便乗した悪質商法への対応、さらには災害に伴う生活環境の変化により支援を必要とする高齢者や障がい者、未成年者の権利擁護(成年後見・未成年後見等)まで、被災者の抱える法的課題は多岐にわたる。私たち司法書士は「市民に身近な法律家」として、被災者一人ひとりの悲しみと不安に寄り添い、発災直後の相談対応から生活再建に向けた法的解決まで、真摯に現場での支援を実践してきた。

また、被災地の復旧・復興の妨げとなる相続登記がなされていない土地建物に関する相続人調査及び所有者不明土地建物財産管理人制度を活用した問題解決についても司法書士の知見と経験を活かし、被災した自治体と連携して取組を推進してきた。

このたびの防災庁の設置により、今後は国、地方公共団体、そして司法書士をはじめとする専門家集団との連携がこれまで以上に重要となる。被災者の迅速な生活再建のためには、発災直後からの途切れることのない支援体制が不可欠であり、司法書士が持つ不動産登記・裁判事務・成年後見等の実務的な専門知見は、新しい防災体制のなかで極めて重要な役割を果たすものと確信する。

当連合会は、新たに創設された防災庁及び関係機関と緊密に連携し、これまでの被災者支援活動で培った経験と知見を最大限に活用しつつ、被災者一人ひとりの課題に応じた災害ケースマネジメントの推進にも注力していく。

そして、国民の権利を擁護し、自由かつ公正な社会の形成に寄与するという使命のもと、いかなる災害においても「誰一人取り残さない」理念の実現に向け、被災者一人ひとりの権利擁護と生活再建を支えるとともに、我が国の防災・減災体制の発展に全力で取り組んでいく所存である。