司法書士関連法の変遷

年号 関連法令等 主な改正条文等
明治 1872年
(明治5年)
司法職務定制公布
(太政官無号達)
証書人、代書人、代言人制度の創設 第42條
第1 各區代書人ヲ置キ各人民ノ訴状ヲ調成シテ其詞訟ノ遺漏無カラシム但シ代書人ヲ用フルト用ヒサルトハ其本人ノ情願ニ任ス
第2 訴状ヲ調成スルヲ乞フ者ハ其世話料ヲ出サシム
1873年
(明治6年)
訴答文例公布
(太政官布告第247号)
代書人強制主義の採用
第3條 原告人訴状ヲ作ルハ必ス代書人ヲ撰ミ代書セシメ自ラ書スルコトヲ得ス但シ従前ノ差添人ヲ廃シ之ニ代ルニ代書人ヲ以テス
第3條 訴訟中訴状ニ関係スルノ事件ニ付被告人ト往復スルノ文書モ亦代書人ヲシテ書セシメ且代書人ノ氏名ヲ記入セシム可シ若シ代書人ヲ經サル者ハ訴訟ノ證ト為スコトヲ得ス
第3條 代書人疾病事故アリテ之ヲ改撰スル時ハ即日頼主ヨリ裁判所ニ届ケ且ツ相手方ニ報告ス可シ其裁判所ニ届ケス被告人ニ報告セサル以前ハ仮令代書スルモ代書人ト看做スコトヲ得ス
1874年
(明治7年)
訴答文例一部改正
(代書人用方改定・太政官布告第75号)
代書人強制主義を廃止し、その選任を任意的とする。
原告人被告人訴状答書及ヒ雙方往復文書ヲ作ルニ代書人ヲ撰ミ代書セシムル共又ハ 代書人ヲ用ヒスシテ自書スル共総テ本人ノ情願ニ任スヘキ事
原告人被告人ニテ代書人ヲ用ヒサル時ハ親戚又ハ朋友ノ者ヲ以テ差添人トナシ訴状答書等ヘ連印セシムヘキ事
1886年
(明治19年)
旧登記法公布
(法律第1号)
登記制度のはじまり
第3條 登記事務ハ治安裁判所ニ於テ之ヲ取扱フモノトス治安裁判所遠隔ノ地方ニ於テハ郡區役所其他司法大臣指定スル所ニ於テ之ヲ取扱ハシム
1890年
(明治23年)
裁判所構成法公布 治安裁判所が区裁判所に改められ、登記事務は区裁判所が取扱う非訟事件として規定された
大正 1919年
(大正8年)
司法代書人法公布
(法律第48号)
代書人を司法代書人(所管地方裁判所長の監督下)と一般代書人(所管警察官署の監督下)の職制に分離
第1條 本法ニ於テ司法代書人ト称スルハ他人ノ嘱託ヲ受ケ裁判所及検事局ニ提出スヘキ書類ノ作製ヲ為スヲ業トスル者ヲ謂フ
第2條 司法代書人ハ地方裁判所ノ所属トス
第3條 司法代書人ハ地方裁判所長ノ監督ヲ受ク地方裁判所長ハ區裁判所判事ヲシテ司法代書人ニ對スル監督事務ヲ取扱ハシムルコトヲ得
第4條 司法代書人タルニハ所属地方裁判所長ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
昭和 1935年
(昭和10年)
旧司法書士法公布
(司法代書人法改正・法律第36号)
名称を「司法代書人」から「司法書士」に改める
第1条 第4条及第7条乃至第10条中「司法代書人」ヲ「司法書士」ニ改ム
1950年
(昭和25年)
新司法書士法公布
(法律第197号)
新憲法の下、官の全面的監督権が排除され、認可、懲戒等による間接的な監督となる 司法書士法(大正8年法律第48号)の全部を改正する
第1条 司法書士は、他人の嘱託を受けて、その者が裁判所、検察庁又は法務局若しくは地方法務局に提出する書類を代って作成することを業とする
1956年
(昭和31年)
司法書士法一部改正
(法律第18号)
司法書士会の強制設立、強制入会制度導入等
第14条 司法書士は、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域ごとに、会則を定めて、一箇の司法書士会を設立しなければならない
第17条 全国の司法書士会は、会則を定めて、日本司法書士会連合会を設立しなければならない
全国統一認可試験実施
1967年
(昭和42年)
司法書士法一部改正
(法律第66号)
業務の改正、日司連・司法書士会に法人格付与される
第1条第1項中 「代って作成する」を「作成し、及び登記又は供託に関する手続を代ってする」に改める
第14条3項 司法書士会は、法人とする
第15条の3 司法書士会は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない
第17条の3 第14条第3項及び第4項、第15条の2第1項、第15条の3並びに第15条の4の規定 は、日本司法書士会連合会に準用する
1978年
(昭和53年)
司法書士法一部改正
(法律第82条)
目的・職責規定の新設、業務範囲規定の整備、国家試験の導入、注意勧告・建議規定の新設等
第1条 この法律は、司法書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、登記、供託及び訴訟等に関する手続の円滑な実施に資し、もって国民の権利の保全に寄与することを目的とする
第1条の2 司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない
1985年
(昭和60年)
司法書士法一部改正
(法律第86号)
法務局、地方法務局が行っていた登録事務を日司連に移譲
第6条2項 司法書士名簿の登録は、日本司法書士会連合会が行う
社団法人公共嘱託登記司法書士協会の創設
平成 1998年
(平成10年)
新民事訴訟法施行 民事裁判の迅速化、少額訴訟制度創設等
1999年
(平成11年)
成年後見制度 「社団法人成年後見センター・リーガルサポート」設立
2000年
(平成12年)
民事法律扶助法施行 司法書士の書類作成もその対象となる
2001年
(平成13年)
司法制度改革審議会意見書 公表 訴訟手続において、隣接法律専門職種などの有する専門性を活用する見地から、司法書士への簡易裁判所での訴訟代理権については、信頼性の高い能力担保措置を講じた上で、これを付与すべきである。また、簡易裁判所の事物管轄を基準として、調停・即決和解事件の代理権についても、同様に付与すべきである
2002年
(平成14年)
司法書士法一部改正
(法律第33号)
制度目的の変更、簡易裁判所代理権付与、司法書士会による紛議調停規定の新設、事務所の法人化等
第1条 この法律は、司法書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、登記、供託及び訴訟等に関する手続の適正かつ円滑な実施に資し、もって国民の権利の保護に寄与することを目的とする
第3条 〔抜粋〕司法書士は、この法律に定めることにより、他人の依頼をうけて、次に掲げる事務を行うことを業とする
6 簡易裁判所における次に掲げる手続(*)について代理すること。ただし、上訴の提起、再審及び強制執行に関する事項については、代理することができない (*一定の民事通常訴訟、即決和解、支払督促、証拠保全、民事保全、民事調停等の各手続)
7 民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法の規定による訴訟手続の対象となるものに限る。)であって紛争の目的の価格が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は裁判外の和解について代理すること
2004年
(平成16年)
総合法律支援法施行
(法律第74号)
日本司法支援センター(法テラス)の設立、契約司法書士による民事法律扶助業務の開始、日司連・司法書士会の相談センターが情報提供業務の連携先となる
第1条 この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、法による紛争の解決が一層重要になることにかんがみ、裁判その他の法による紛争の解決のための制度の利用をより容易にするとともに弁護士及び弁護士法人並びに司法書士その他の隣接法律専門職者(弁護士及び弁護士法人以外の者であって、法律により他人の法律事務を取り扱うことを業とすることができる者をいう。以下同じ。)のサービスをより身近に受けられるようにするための総合的な支援(以下「総合法律支援」という。)の実施及び体制の整備に関し、その基本理念、国等の責務その他の基本となる事項を定めるとともに、その中核となる日本司法支援センターの組織及び運営について定め、もってより自由かつ公正な社会の形成に資することを目的とする。
2005年
(平成17年)
不動産登記法改正
(法律第123号)
出頭主義の廃止、登記済証に代わる登記識別情報制度の導入、資格者代理人による本人確認情報提供制度、登記原因証明情報の提供の必須化
司法書士法一部改正
(法律第152号)
「民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律」施行を受け、少額訴訟債権執行手続が創設され、簡易裁判所代理権を持った司法書士にこの代理権が与えられる 第3条[抜粋]
6 簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。ただし、上訴の提起、再審及び強制執行に関する事項(ホに掲げる手続きを除く。)については、代理することができない。
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第二章第二節第四款第二目の規定による少額訴訟債権執行の手続であつて、請求の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの
不動産登記法一部改正(法律第29号) による司法書士法一部改正 筆界特定制度の新設、司法書士への筆界特定手続き及び仲裁手続に関する代理権、上訴の提起の代理権が与えられる 第3条 [抜粋]
6 簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。ただし、上訴の提起(自ら代理人として手続きに関与している事件の判決、決定又は命令に係るものを除く。)、再審及び強制執行に関する事項(ホに掲げる手続きを除く。)については、代理することができない。
2007年
(平成19年)
裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律施行
(法律第151号)
民間の調停機関への認証制度の導入、法務大臣の認証を取得した司法書士会調停センターの設立
第5条 民間紛争解決手続を業として行う者(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)は、その業務について、法務大臣の認証を受けることができる。
第6条[抜粋] 法務大臣は、前条の認証の申請をした者(以下「申請者」という。)が行う当該申請に係る民間紛争解決手続の業務が次に掲げる基準に適合し、かつ、申請者が当該業務を行うのに必要な知識及び能力並びに経理的基礎を有するものであると認めるときは、当該業務について認証をするものとする。
1 その専門的な知見を活用して和解の仲介を行う紛争の範囲を定めていること。
2 前号の紛争の範囲に対応して、個々の民間紛争解決手続において和解の仲介を行うのにふさわしい者を手続実施者として選任することができること。
5 手続実施者が弁護士でない場合(司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第三条第一項第七号に規定する紛争について行う民間紛争解決手続において、手続実施者が同条第二項に規定する司法書士である場合を除く。)において、民間紛争解決手続の実施に当たり法令の解釈適用に関し専門的知識を必要とするときに、弁護士の助言を受けることができるようにするための措置を定めていること。
2016年
(平成28年)
成年後見制度の利用の促進に関する法律施行
(法律第29号)
成年後見制度利用促進に関する基本理念、基本方針、基本計画の策定、成年後見制度の利用促進に関する体制の整備
第1条 この法律は、認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより財産の管理又は日常生活等に支障がある者を社会全体で支え合うことが、高齢社会における喫緊の課題であり、かつ、共生社会の実現に資すること及び成年後見制度がこれらの者を支える重要な手段であるにもかかわらず十分に利用されていないことに鑑み、成年後見制度の利用の促進について、その基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進委員会を設置すること等により、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする
法律に基づき、2017年(平成29年)3月24日に「成年後見制度利用促進基本計画」が閣議決定された。基本計画の一つとして地域連携ネットワーク作りが掲げられており、司法書士会は、自治体と協力し、協議会等の設立準備会に参画するとともに、地域連携ネットワークの活動の中心的な担い手として、中核機関の設立及びその円滑な業務運営等に積極的に協力することが期待されている。