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会長声明集

2011年(平成23年)12月19日

東日本大震災等の被災者への「法的支援事業」特別措置法の制定についての会長声明

日本司法書士会連合会
会長 細 田 長 司

 
本年3月11日、東北地方において歴史的な被害をもたらした大震災が発生し、9か月が経過した。
この間、当連合会では、被災地の復興に少しでも役立つよう災害復興支援事務所(被災地域内の司法書士総合相談センター)を開設し、被災された地域住民が 抱える悩みを解決するべく活動を続けてきた。また、東日本大震災の被災者並びに福島第一原子力発電所事故の被害者に対して、住宅ローン(二重ローン含 む)、債務問題、原発関連問題、借地・借家、相隣関係、相続関係、労働問題、成年後見などさまざまな法的問題等の解決に向け、司法書士の社会的役割を果た すべく積極的に取り組んでいるところである。
このように、法的問題等の相談事業を進めているが、被災地においては、総合法律支援法による資力の乏しい方々に対する、民事法律扶助の利用がされにくい 現状がある。これは、民事法律扶助による法律相談援助等を行うに際して、被災者(相談者)に対し、最初に資力を確認しなければならず、この時多くの相談者は、個人の資力について話したがらない傾向が強くあり、無理に資力について確認するとその後の相談ができなくなることもある。被災地においては、被災者に対して配慮を欠いては十分な相談をすることはできない。また、実際には法律扶助の資力要件に当てはまるとするべきであるにもかかわらず、地震保険金等から 一定額が支払われている場合、資力があると認定され、民事法律扶助相談が受けられないという事態も生じている。
今後生じることが予想される複雑な法的問題を解決するためには、被災者のニーズに応じた長期的な支援が必要であり、特に、民事法律扶助をより多くの被災者が利用できる制度とし、被災者の法的問題を早期に解決することが被災地の復興につながる。そのため、被災地における権利確保のための新たな法制度の必要性を痛感しているところである。
以上のことから、当連合会は、司法書士、弁護士によるより身近な被災者支援のため、「資力で被災者を選別しない法的支援事業の創設」、「民事裁判に限定 されない柔軟な支援の実現」などを内容とする特別措置法「被災者のための新たな法的支援事業の創設」の制定を求め、第179回臨時国会での本特別措置法の 成立を期待したが、時間的制約などから成立には至らなかった。
そこで、平成24年1月開会予定の次期通常国会においては、早期に本特別措置法が制定されることを強く求めるものである。
当連合会では被災地の一日も早い復興のために、今後も継続して相談活動等に尽力する所存である。

 

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