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総会決議集

法務局の各種登記事務及び各種供託事務並びに司法書士に対する指導、司法書士会の会則の認可に関する事務等の地方移管に対し断固反対する決議

 日本司法書士会連合会は、法務局の「各種登記事務」及び「各種供託事務」(以下合わせて「各種登記事務等」という)並びに「司法書士に対する指導、司法書士会の会則の認可に関する事務等」の地方移管に断固反対する。

 

以上のとおり決議する。

2010年(平成22年)6月25日
日本司法書士会連合会 第72回定時総会

【提案理由】

2010年3月、全国知事会「国の出先機関原則廃止プロジェクトチーム」の中間報告において、法務局の14の事務・権限のうち下記の9事務については、地方移管が望ましいとの仕分け結果を発表した。

 

【民事行政部門】

  • ・公証に関する事務(公証人の指導監督等)
  • ・市町村が実施する戸籍事務に関する助言、勧告、指示等
  • ・国籍に関する事務
     (帰化に関する事務、届出による国籍取得に関する事務、国籍離脱に関する事務等)
  • ・各種供託事務(弁済供託、執行供託等)
  • ・各種登記事務(不動産登記、商業・法人登記等)
  • ・司法書士に対する指導、司法書士会の会則の認可に関する事務等
  • ・土地家屋調査士に対する指導、土地家屋調査士会の会則の認可に関する事務等

 

【人権擁護部門】

  • ・人権擁護に関する事務
     (人権擁護委員の委嘱に関する事務等、人権侵害事件に係る調査・救済・予防等)

 

【総務部門】

  • ・内部管理事務(地方移譲に係るもの)

 

 

 さらに、廃止・民営化等する事務として「司法書士試験等に関する事務」「土地家屋調査士試験等に関する事務」の2つの事務を仕分けし、国に残すべき事務として「国の利害に関係のある訴訟に関する事務」「総合法律支援に関する事務(法テラスに対する立ち入り検査等)」「上記事務の執行に関する内部管理事務」のみを仕分けしている。

 

 そのプロジェクトチームの姿勢は「原則として、国の出先機関を廃止する」ことを前提としたものであり、その観点は、「二重行政の解消」「行政の簡素、効率化」である。

 

 しかしながら、法務局が行う事務・権限を、「行政の簡素、効率化」との観点のみで仕分けることは誤っている。

 

 法務局の中心的事務ともいえる登記事務は、憲法に保障された国民の基本的人権である財産権を擁護する登記法に基づき、100年以上の長きにわたり、日本全国統一的な制度として維持されてきた。

 

 登記制度の信頼の維持は、公示の原則・真正の担保を根幹とする。

 

 こと不動産登記制度における真正担保を維持発展させる観点から、また本人確認・登記申請意思確認という事務の充実及びその正確性を図るためにも、今後も全国統一的な基準の下での登記事務の取扱いが図られるべきである。

 

 また、現在検討されている民法改正では、債権譲渡の対抗要件として、登記制度一元化が議論されているところであり、登記制度の重要性は、今後、ますますその比重を増そうとしているとしている。

 

 仮に地方行政ごとに登記事務の取扱いが異なれば、公示に対する責任や登記の正確性に差異が生じることとなり、その信頼性を損なうおそれがある。

 

 さらに、上記のような重要な登記制度の真正担保の一翼を担ってきた職能である私たち司法書士に対する指導、司法書士会の会則の認可に関する事務が、地方に移管されると、地方ごとのルールが生まれ、業務の形態が違ってくるというようなこともおきる可能性もあり、その結果、全国統一的な基準の下での登記事務に支障をきたす怖れもある。

 

 よって、日本司法書士連合会は、登記制度における真正担保を維持発展させる観点から、法務局の「各種登記事務等」、「司法書士に対する指導、司法書士会の会則の認可に関する事務等」の地方移管に対し断固反対するために本議案を提出する。

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