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意見書等

2007年(平成19年)12月26日

 

不動産登記令の一部を改正する政令(案)に関する意見

日本司法書士会連合会
会長 佐 藤 純 通

日本司法書士会連合会(以下「日司連」という。)は、法務省から意見募集を求められた「不動産登記令の一部を改正する政令(案)」(以下「本改正案」という。)に対し、以下のとおり意見を表明する。
1.   オンライン申請の電子化が進んでいない現状を改善するために、本改正案を策定するに至った当局の決断については、基本的にこれに賛同の意を表明し、その趣旨の実現のため、日司連は組織的に協力体制をとり、全国会員への指導を徹底する所存である。
また、不動産登記の中心的利用者である宅建業者あるいは金融機関とも協議を重ね、連携を深めて、オンライン申請に沿った新たな取引実務を構築できるよう最大限の努力をする所存である。

 

 

 

2. なお、提示された本改正案は、引き続く不動産登記規則改正案、通達、法務大臣通知等によって具体的に内容を付与されて全体の改正内容が現れるものと受け止 めるものであるが、現時点で日司連が法務省当局より示された内容に基づき今後の改善につき以下のとおり意見を申し述べる。
今回の改正案は、概要によれば、オンライン申請促進のため、添付書類の別送を認めることとし、資格者代理人を始めとする利用者がオンライン申請に習熟する ことを期待しているが、その促進を真剣に実現するために現に95%以上不動産登記の申請をなしている司法書士の実務慣行をそのままオンライン申請に移行で きることが重要であり、そのためには以下のことが実現されるよう求めるものである。

 

 

 

3.  【システム構築】について
(1)不動産取引の代金等の資金決済における資格者代理人たる司法書士が果たしている専門家としての役割(売買取引の資金決済の同時履行機能を担う)を重視し、連合会の意見を十全に斟酌され、取引業界や国民のニーズに応えられる登記制度・システム体制を構築すること。
(2) オンライン申請利用促進の推進、資格者代理人専用モデルとして民間において構築することを早急に実現するため、法務省側のシステム情報(登記識別情報を含めて)の仕様を十分に公開し、早急に目司連・ベンダー等と協力しシステムを改善すること。
 

4. 【登記原因証明情報・添付書面】について
(1)登記原因証明情報については、登記の真正担保を維持しつつ、さらにオンライン申請を推進するために、契約書等を資格者代理人が確認したことによる報告書形式による登記原因証明情報の作成権限を資格者代理人に認めること。
5.  【登記識別情報】について
(1)オンライン申請における登記識別情報の提供については、オンラインシステムを利用して行うのが本来の形態ではあるが、登記申請情報、登記識別情報のオンラインによる提供が何らかの不測の事態で支障がある場合に備え、代替措置等の対策を検討すべきである。
(2)資格者代理人によるオンライン申請の場合に、多数当事者、多数筆等に備え、登記識別情報通知を書面によっても提供を可能とする当面の暫定的な措置を例外的にでも検討すべきである。
(3) 或いはに代え、登記識別情報の提供および受領のシステムについては、多数当事者、多数筆に備え、司法書士代理人が利用しやすいより簡易なシステムの改善を実施することが早急に求められる。
(4) 登記識別情報通知書について、二次元バーコードやQRコードなどを活用し、資格者代理人において読み取ることを可能な方法を検討すること。
(5) オンラインにおける登記識別情報通知の提供及び受領について、現在の過度の秘匿性を前提とする煩雑なプロセス(復号化・暗号化等)を要するシステムでなく、より簡易簡便なシステムに早急に改善すること。
(6) 登記所窓口での書面申請による登記識別情報の有効性証明申請においては、他管轄の物件についても可能とするようシステムを早急に改善すること。
(7) インターネット接続、PDF化等必要な環境設備を要する利用者の負担を考慮し、また電子政府実現の目的に照らし、オンライン推進のインセンティブにつき現行推進策だけでなくそれ以外の方法についても検討すること。
(8) JAVAのバージョンによる制限を早急に改善すること。
終わりに

日司連としては、本改正案を一定期間の暫定的措置としては積極的に受け止めるものであるが、本来現不動産登記が孕む様々な問題点(例えば現行の「暗 証番号」方式の登記識別情報についての諸問題)等を解決するために、抜本的な改正や現行登記識別情報の一部廃止や凍結等をも視野に置き、法務省内部に司法 書士・学識経験者・実務界・システム開発技術者等を含めた「オンライン利用促進ならびに登記識別情報制度」についての検討機関を設置し、抜本的な不動産登 記制度の改善策につき検討を開始することを早急に要請する。

 

また、電子政府構想を推進し、国民のさらなる利便性の向上・負担の軽減をは かるとともに行政の効率化・合理化をはかり、オンライン申請の積極的活用を推進するために、法務省は、日司連とオンライン申請に関する実務上の運用・シス テムの改善についての実務レベル協議をなるべく頻繁に行うことを要請する。

 

なお、今回の促進策に関する検証については、上記の検討機関の協議と並行して、少なくとも1年程度の期間を設け、四半期程度の検証を積み重ねて、これを随時社会的に公表すること行うことを要望する。

 

日司連は、今般の改正案の実現に際し、登記の真実性を一層確保するため、司法書士の「本人確認情報」の積極的活用かつ適切な運用を図り、契約前段階の登記の 受託から、依頼者の本人確認、登記立会からオンライン登記申請、登記識別情報の依頼人への交付にいたる迄一連の資格者代理人たる司法書士の執務につき、そ の専門性を重視した規範を示し、全国の単位会および会員に対し、より一層の指導をしていく方針である。

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