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意見書等

2008年(平成20年)08月26日

経済産業省中小企業庁事業環境部財務課 御中

「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則案」に対する意見

登記制度関連対策本部
企業法務推進対策部

 

 

日本司法書士会連合会は、平成20年7月28日に公示された「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則案」に対する意見募集につき、別添のとおり意見を申し述べる。

 

 

 

 

施行規則案第1条第5項について
【意見】戸籍の抄本を含む内容とすべきである。
【理由】「戸籍謄本等」は、旧代表者のすべての推定相続人を明らかにするために必要となるものであるから、推定相続人に関しては、戸籍の抄本で足りる。本年5月施行の改正戸籍法の趣旨に鑑み、プライバシーの保護を図る観点からも、そのような取扱いを認めるべきである。
したがって、同項中「戸籍の謄本」とあるは、「戸籍の謄本若しくは抄本」とすべきである。

 

施行規則案第1条第6項について
【意見】「従業員数証明書」には、退職した従業員の数を証する書面も含む内容にすべきである。
【理由】同項で示された報酬月額決定通知書等が通知された日後に従業員数が変動している場合も多いことから、合意日における従業員数(施行規則案第3条第2項第4号)を明らかにするためには、退職した従業員の数を証する書面も要求すべきである。

 

施行規則案第3条第2項第1号について
【意見】実印による押印がない場合の取扱いを明示すべきである。
【理由】推定相続人が海外在住である場合も多いと思われ、その場合は、サイン証明書等が要求される(同項第11号)ものと考えられるが、その他の場合にお いても、本号では「押印した場合にあっては」とあることから、実印による押印は必ず要するものではないと解される。実印による押印がない場合には、同項第 11号の規定によるものと考えられるが、どのような書類を要求するのか、各号に列挙する形で(又はガイドライン等で考え方を明らかにする形で)明らかにす べきである。

 

施行規則案第3条第2項第3号について
【意見】合意日以降に作成されたものに限るべきである。
【理由】登記事項証明書は、合意日時点における会社の状況を示すものでなければならないと考えるべきである。
したがって、同項中「法第7条第1項の確認を申請する日の前3月以内」とあるは、「合意日以降」とすべきである。このように考えても、当該特例中小企業者の負担にはならないと考える。
なお、合意日以降、確認の申請までの間に登記事項に変更が生じており、登記を未だ了していない場合にあっては、当該変更事項を明らかにした書面も要求すべきである。

 

施行規則案第3条第2項第5号について
【意見】提出する計算書類は、確定したものを要求する内容にすべきである。
【理由】同号の定める貸借対照表等は、定時株主総会等の承認を得て確定したものが必要であると考えるが、例えば事業年度終了後1か月以内に合意をしたとき は、合意日から1か月以内に確認の申請をする必要がある(法第7条第2項)ことから、確認の申請日においては直近事業年度の決算が確定しておらず、提出す ることができないことが想定される。
したがって、同項中、「三事業年度」とあるは、「三事業年度(特例中小企業者が株式会社である場合にあっては、会社法第438条第2項の承認(同法第 439条前段に規定する場合にあっては、同法第436条第3項の承認)を受けた場合における各事業年度のうち最も遅いものから三事業年度とする。)」等の 内容にすべきである。

 

施行規則案第3条第2項第9号について
【意見】合意日前に作成された戸籍謄本等の提出を認めるべきである。
【理由】合意の前提作業として、旧代表者のすべての推定相続人を明らかにするために、戸籍謄本等を取得する必要がある。しかしながら、本号の規定によれ ば、合意日以降に改めて戸籍謄本等を再取得した上で、提出しなければならないこととなる。昨今は推定相続人の現住所と本籍地が異なることが多いのが通常で あり、戸籍謄本等の収集は煩雑な作業である。
したがって、旧代表者の戸籍謄本については、合意日以降に作成されたものを要求しなければならないとしても、推定相続人に関しては、合意日前に作成された 戸籍謄本等の提出を認めるべきである。申請書に、作成日以降に変更がない(推定相続人の排除の裁判等がない。)旨を上申する文言を付記しておけば足りるも のと考える。

 

施行規則案第3条第4項について
【意見】「主たる事業所」は、登記簿上のものとすべきである。
【理由】中小企業においては、登記簿上の本店等を代表者の自宅等に置き、事業所は別に設けているケースが少なからずある。この場合、確認の申請をすべき経済産業局がいずれとなるのか不明確となり得る。
したがって、本項中「主たる事業所」とあるは、「主たる事業所(登記簿上のものと異なる場合にあっては、登記簿上の本店又は主たる事務所とする。)」とすべきである。

 

附則第2条第1項について
【意見】次のとおり、修正すべきである。
第1項中、「代表者(二人以上あるときは、そのうちの当該中小企業者が定めた一人に限る。)の被相続人」を「代表者(代表者であった者を含む。)」とし、 「当該代表者」を「当該経営を承継した代表者(二人以上あるときは、そのうちの当該中小企業者が定めた一人に限る。)」と改める。
【理由】「中小企業者の代表者の被相続人が死亡した場合」では、意味が理解し難い。同様の表現が施行規則案に散見されるが、相続は、「被相続人」を基点と して相続人が誰であるか等が問題となるのであり、「相続人」を基点として「被相続人」を捉えるのは通常採用されない表現である。民法においても同様の表現 は皆無である。

 

以上

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