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意見書等

2009年(平成21年)02月26日

法務省民事局参事官室 御中

「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令案」に関する意見

日本司法書士会連合会
会長 佐 藤 純 通

 

 

日本司法書士会連合会は、平成21年1月29日に公示された「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令案」に対する意見募集につき、別添のとおり意見を申し述べる。

○ 会社計算規則の一部改正案について

 

 

1.改正案第48条第1項関係
【意見】 賛成である。ただし、利益準備金又はその他利益剰余金の資本組入れを行った場合に、その後、資本金の額の減少を行うときは、会社法第447条第 1項第1号の額のうち、利益準備金又はその他利益剰余金から資本組入れした額に相当する額については、利益準備金又はその他利益剰余金とすべきであり、所 要の改正(第51条及び第52条等)を行うべきである。
【理由】 本改正を行うとした場合においても、資本源泉と利益源泉を厳格に峻別する要請は維持する必要があり、その後、資本金の額の減少を行う場合には、 会社法第447条第1項第1号の額を資本準備金又はその他資本剰余金とするのではなく、意見のとおり、利益準備金又はその他利益剰余金とすべきである。こ れに伴い、第51条及び第52条等の改正も行う必要がある。

 

 

2.その他
【意見】 第48条第1項の改正に伴い、第52条第2項についても、後記のとおり改正する必要がある。
【理由】 その他利益剰余金の資本組入れを許容することに伴い、その他利益剰余金が減少する場合を限定している第52条第2項についても、所要の改正を行う必要があるからである。

 

改正案
現行
(その他利益剰余金の額)
第52条 【略】
2 株式会社のその他利益剰余金の額は、次項、前三款及び第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。
一 法第450条の規定により剰余金の額を減少する場合 同条第1項第1号の額(その他利益剰余金に係る額に限る。)に相当する額
二~四 【略】
3 【略】
(その他利益剰余金の額)
第52条 【同左】
2 株式会社のその他利益剰余金の額は、次項、前三款及び第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。
 一~三 【同左】
3 【同左】

 

 

3.その他
【意見】 会社計算規則第180条第3号については、「公告対象会社が法第440条第4項に規定する株式会社である場合 その旨」と改正すべきである。
【理由】 公告対象会社が法第440条第4項に規定する株式会社である場合においては、決算公告に関する規定が適用除外とされており、有価証券報告書によ り公示されていることから、会社計算規則第180条第3号は、現行の内容となっている。しかし、当該会社が、会社法第439条前段に規定する場合に該当す るときは、会社法第436条第3項の取締役会の承認により計算書類が確定しており、当該貸借対照表が最終事業年度に係るものとなっているにもかかわらず、 定時株主総会に報告される前であることから、有価証券報告書により公示されていない期間が不可避的に生じてしまう。したがって、当該期間に公告をするとき は、本条第6号の規定に従い、「貸借対照表の要旨」を同時掲載しなければならないのである。しかしながら、そのような株式会社は、決算短信又は四半期開示 等により、利害関係人に対する公示が十分になされているので、その必要性も乏しい。よって、意見のとおりの改正をすべきである。

 

 

4.その他
【意見】 第87条第9項についても、所要の改正をすべきである。
【理由】 第37条の改正に伴い、改正が必要である。

 

改正案
現行
募集株式を引き受ける者の募集に際して発行する株式又は処分する株式が株式等交付請求権の行使によって発行又は処分をする株式であるときにおける第37条第1項の規定の適用については、同項柱書中「掲げる額の合計額」とあるのは、「掲げる額及び第87条第8項に規定する株式等交付請求権の行使時における帳簿価額の合計額」とする。
募集株式を引き受ける者の募集に際して発行する株式又は処分する株式が株式等交付請求権の行使によって発行又は処分をする株式であるときにおける第37条第1項第1号の規定の適用については、同号中「掲げる額の合計額」とあるのは、「掲げる額及び第87条第8項に規定する株式等交付請求権の行使時における帳簿価額の合計額」とする。

 

 

5.その他
【意見】 附則(平成18年12月22日法務省令第87号)第5条についても、所要の改正をすべきである。
【理由】 第37条の改正に伴い、改正が必要である。

 

改正案
現行
第1項中
会社計算規則第37条第1項第3号
会社計算規則第37条第1項第2号
第2項中
会社計算規則第40条第1項第4号
会社計算規則第40条第1項第3号
第3項柱書
会社計算規則第74条第1項第3号
会社計算規則第74条第1項第2号

 

 

○ 会社法施行規則の一部改正案について

 

 

1.改正案第20条1項9号関係
【意見】 反対である。
【理由】 本条の改正の趣旨は、会社法第108条第2項各号の種類株式の全てについて会社法第108条第3項の規定によりその要綱を定めることができるよ うにするものであると考えるが、取締役又は監査役の選任権に関する種類株式に関する会社法第108条第2項第9号の各事項は、いずれもその内容について、 その種類株主のみならず、他の種類の株主にとっても重大な利害を有する事項であるから、要綱を定めることはできないものとすべきである。
なお、会社法第108条第2項第9号の種類株式に関しては、当該種類株式に「選任権があること」が株式の内容であり、他の種類株式に「選任権がないこ と」は株式の内容とはならないと解されるが、公表されている登記記録例においては、あたかも「選任権がないこと」が株式の内容であるかのごとく、掲載され ている。旧商法下の解釈に引き摺られたものであると思われるが、会社法において内容が整理されている点であると考えられるので、実務における混乱を避ける ために、この点の解釈を明らかにすべきである。

 

 

2.改正案第27条第8号関係
【意見】 「その」を「当該株式会社の」と修正すべきである。
【理由】 他の号と平仄をとるためである。

 

 

3.その他
【意見】 第8条、第41条及び第54条の各柱書の「法務省令で定める事項」については、「定款に定められた事項全部」とすべきである。
【理由】 これらの規定においては、会社法第109条第2項(株主ごとの属人的定め)が列挙されておらず、また、監査役の権限(会計監査限定か否か)につ いても、株主の権利を画する重要事項であるにもかかわらず、掲げられていない。いずれも、第8条第4号、第41条第7号又は第54条第7号の規定に基づ き、請求しなければ判らない事項となっている。株式の引受けの申込みをしようとする者にとっては、定款の定めは、株式の内容のみならず、全般的に関心ある 事項であり、定款に定められた事項全部を通知すべき事項とすべきである。

 

 

4.その他
【意見】 第22条第1項第5号及び第24条第1項第3号中「競売」とあるを「競売又は公売」と改正すべきである。その他、第56条第1項第4号、第57条第1項第3号及び第168条第1項第4号に関しても同様である。
【理由】 今国会に上程されている「所得税法等の一部を改正する法律案」中、いわゆる事業承継税制における納税猶予のためには株式の担保供与が必須であり、公売にかかるケースが増加することが想定される。したがって、意見のとおり、改正すべきである。

 

 

5.その他
【意見】 会社法施行規則第181条第3号、第188条第3号、第199条第3号及び第208条第3号については、「公告対象会社が法第440条第4項に規定する株式会社である場合 その旨」と改正すべきである。
【理由】 公告対象会社が法第440条第4項に規定する株式会社である場合においては、決算公告に関する規定が適用除外とされており、有価証券報告書によ り公示されていることから、会社法施行規則第181条第3号、第188条第3号、第199条第3号及び第208条第3号は、現行の内容となっている。しか し、当該株式会社が、会社法第439条前段に規定する場合に該当するときは、会社法第436条第3項の取締役会の承認により計算書類が確定しており、当該 貸借対照表が最終事業年度に係るものとなっているにもかかわらず、定時株主総会に報告される前であることから、有価証券報告書により公示されていない期間 が不可避的に生じてしまう。したがって、当該期間に公告をするときは、各条第7号の規定に従い、「貸借対照表の要旨」を同時掲載しなければならないのであ る。しかしながら、そのような株式会社は、決算短信又は四半期開示等により、利害関係人に対する公示が十分になされているので、その必要性も乏しい。よっ て、意見のとおりの改正をすべきである。

 

 

6.その他
【意見】 第195条第5項の改正をすべきである。
【理由】 会社計算規則の改正案により、同規則第20条及び第31条の規定が削除されるからである。

 

 

7.その他
改正案第143条第3項第2号柱書は、誤記であるので、訂正すべきである。

 

 

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