成年年齢引下げ

クレジットカードについて

18歳のAさんは2021年4月(改正法施行前)、大学に進学すると同時に親の同意を得て学生用クレジットカードを作りました。はじめは使うつもりはなかったのですが、ついついカードを利用し商品の決済をしているうちに利用額が多額になってしまいました。

クレジットカードの利用枠がいっぱいになったAさんは、さらに別のクレジットカードを作ることは可能でしょうか。

可能です。
改正法施行前は未成年の学生でも親の同意を条件に、2022年4月(改正法施行後)以降はAさん一人でも、
複数のクレジット会社でカードを作ることは可能です。カードのキャッシング利用可能額は10万円程度と少額が多いようですが、カード1枚1枚のキャッシング利用可能額は少額だとしても、多数のクレジットカードを作り、利用可能なクレジットカードが増えてくると思わぬ借金を抱えることになりますので、ご注意ください。

リボ払いの利用は慎重に!

リボ払いにすると月々の返済額は一定の額に設定でき、毎月の返済は楽になります。ただし支払期間が長くなることになり、返済がなかなか終わらず、最終的に手数料が多額になるので、リボ払いを利用するかどうか慎重に検討することが必要です。

Aさんがこのまま返済せずにいた場合、どのような不利益が生じますか。

個人の信用情報に延滞の記録が掲載されます。
個人情報に延滞等の情報が掲載されると、個人の信用力が低下し、以後銀行や信販会社のカードなどの作成が困難となりますので、ご注意ください。

ブラックリストとは

民間の情報機関が返済の状況、債務整理の開始、破産、個人民事再生の申立などの経済的な信用状態に関する個人情報を集積したデータ情報のことです。

Aさんはとても返済ができそうにありません。どうすればいいのでしょうか。

各司法書士会総合相談センターへ
消費者ホットライン188番へ

最寄りの司法書士会の相談センターでご相談いただけます。
借金問題はご家族であっても直ぐには判明するケースは少ないかもしれません。ただし、借金の問題は原則として解決可能なものがほとんどです。判明した場合は、司法書士会の相談センターや消費者センターなどにご相談ください。相談内容により、個々の相談者の実情に応じた解決方法を司法書士がご提案いたします。

https://www.shiho-shoshi.or.jp/activity/consultation/center_list/

2022年4月1日以降、Bさんは親の同意を得ずにクレジットカードを作ることは可能でしょうか。

可能です。
2022年4月1日に18歳以上の人は成年となりますので、高校3年生のBさんが18歳になっていれば、親等の同意を得ないで、クレジット契約等の法律行為をすることが可能となります。

契約時点でBさんがすでに18歳であった場合、契約の取消は可能ですか。

原則Bさんは未成年を理由とする契約の取り消し(未成年者取消(※)といいます。)ができません。
2022年4月1日から成年年齢が引き下げられることによって、18歳以上の人は法定代理人(親等)の同意なくクレジットカードの作成、自動車ローンの契約、アパートの賃貸借契約等様々な契約を自分自身のみで行うことができるようになります。反対に、未成年者の消費者被害を防ぐうえで重要な役割を果たしてきた、未成年者取消権は行使することができなくなります。

Bさんが18歳になる前に契約していた場合、Bさんが18歳となったときに契約の取消は可能でしょうか。

可能です。
契約時に未成年であるため、18歳になったのち5年間は未成年を理由とする取消権の行使はできます(未成年者取消権の消滅時効:成年になったのち5年間行使可能)。

2021年に19歳だったCさんが契約をした場合、2022年4月1日以降も未成年を理由とする取消権は行使可能でしょうか。

可能です。
2022年4月1日前に20歳未満の人は、2022年4月1日以降も未成年者取消権の行使が可能です(施行日前の行為)。