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2026年(令和8年)02月12日

民法(遺言関係)の改正に係る要綱に関する会長声明

日本司法書士会連合会

会長 小澤 吉徳

令和8年1月20日、法制審議会民法(遺言関係)部会において、「民法(遺言関係)等の改正に関する要綱案」が取りまとめられた。同要綱案は、同年2月12日の法制審議会総会において承認後、要綱(以下「要綱」という。)として法務大臣に答申された。

要綱では、普通の方式におけるデジタル技術を活用した新たな遺言の方式として保管証書遺言を設けるとともに、死亡危急時遺言及び船舶遭難者遺言について、録音・録画を同時に行う方法による新たな方式を追加するなど、デジタル技術の利活用を踏まえた制度整備が図られている。

要綱では、デジタル社会における課題を受け止め、①遺言者が本人であること、②遺言書や録音・録画された記録等が真正に成立していること、③遺言書保管ファイル等の保管・管理記録により後日の検証可能性を高めること、④遺言が遺言者本人の真意に基づくものであることについて、デジタル技術の利活用に加え、遺言書保管官や証人の関与等を組み合わせることにより、これらの確保を図る仕組みとなっている。

「デジタル技術を活用した新たな遺言の方式」は、デジタル技術の利活用に関心が集まるところであるが、デジタル技術のみではなく、遺言という人生の最終段階における意思を、いかに確実に成立させ、適切に伝達し、後日の検証にも耐える制度として構築するかが重要となる。

この点、要綱では、「デジタル技術を活用した新たな遺言の方式」について、複数の方式を用意し、当事者の事情に応じた選択を可能とする制度構造となっており、利用者の多様なニーズに即したものであると考える。

今後、要綱に基づき、立法作業へと進むが、「デジタル技術を活用した新たな遺言の方式」の活用により、遺言書の作成や把握に係る利便性が向上し、相続手続の円滑化を通じて所有者不明土地問題等の抑止・解消にも資することが期待される。当連合会は、国民の権利を擁護し、もって自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする専門職団体として、利用しやすく、かつ、信頼できる制度として定着するよう、周知・相談体制の整備をはじめ、関係機関と連携しつつ、実務の側から適切に対応していく所存である。