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会長声明集

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2026年(令和8年)01月01日

令和6年能登半島地震から2年 -被災地・被災者支援の伴走者としての決意-(会長談話)

日本司法書士会連合会

会長 小澤 吉徳

令和6年1月1日に発生した能登半島地震から2年が経過しました。

特に激甚な被害を受けた石川県の発表によると、同年9月20日に発生した奥能登豪雨とあわせて、県内で死者704名、行方不明者2名、そして住宅被害(全壊)6,250戸という被害(令和7年1223日現在)が生じました。

災害関連死者数は2年経った現在でも増え続けており、過酷な避難生活による影響が今も進行しています。国や自治体、関係機関等の尽力によって、公費解体等による損壊建物の取り壊しや道路の補修などの被災地の整備はされつつありますが、住宅再建や事業の再開は十分に進んでおらず、仮設住宅等で避難生活を続けている市民も多数存在します。

この災害では、石川県輪島市・珠洲市をはじめとする奥能登地域での被害が著しく、災害前から進行していた人口減少が災害によって加速しており、地域の存亡に関わる事態となっていることを憂慮しています。

昨今の司法書士への相談事例では、公費解体等が完了した更地の固定資産税軽減の特例措置が廃止されたことや相続登記未了によって相続人が多岐にわたることなど、住宅の再建等にも影響を及ぼす問題に悩む市民が多く存在することに直面してきました。

当連合会は、発災後直ちに被災地の司法書士会と連携して、災害対策実施本部を設置し、各自治体や関係機関と連携を図りながら組織的に相談活動を実施してきました。災害から2年経った今、これらの問題を見据えながら、これまでの相談活動を継続するとともに、司法書士が不在となった石川県穴水町に災害復興支援事務所を開設(令和8年2月9日開設予定)するなど、市民からの相談をはじめとした法的サービスの提供、そして平成23年東日本大震災でも社会問題とされた所有者不明土地問題等に対して、司法書士が登記、供託、訴訟その他法律事務の専門家としてその知見や経験を活かし市民の権利擁護に努めてまいります。

令和7年7月1日に改正された災害対策基本法等の一部を改正する法律では、令和6年能登半島地震等の教訓を踏まえた被災者支援の充実が挙げられています。当連合会は、平成7年阪神・淡路大震災を契機に、東日本大震災や平成28年熊本地震で行ってきた巡回相談活動を通じて、昨今注目されている「被災者一人ひとりの被災状況や生活状況の課題等を個別の相談等により把握した上で、必要に応じ専門的な能力をもつ関係者と連携しながら、当該課題等の解消に向けて継続的に支援することにより、被災者の自立・生活再建が進むようにマネジメントする取組」と定義された災害ケースマネジメントを以前より実践してきました。その経験をもって、内閣府の災害ケースマネジメント全国協議会に構成員として参画していることをはじめとし、将来万が一発生した場合の災害においても、当連合会は、被災市区町村、福祉医療機関、災害ボランティア団体そして他士業団体と連携した災害ケースマネジメントが実践されるよう、活動していく所存です。

昨今の全国各地で発生する災害について、復興状況は様々ですが、被災地に、そして全国に被災者がいることを忘れてはなりません。「身近なくらしの中の法律家」を標榜する私たち司法書士は、これらの災害からの復興事業にその知見を活かすことはもちろんのこと、被災者一人ひとりの生活再建、心の復興を支援する伴走者であり続けたいと考え、それが自由かつ公正な社会の形成に寄与する司法書士の使命であることをここに宣言します。