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会長声明集

2008年(平成20年)07月29日

会長談話】日弁連の「法曹人口問題に関する緊急提言」について

日本司法書士会連合会
会長 佐 藤 純 通

 

 2008年7月18日付け、日本弁護士連合会の法曹人口問題に関する緊急提言について、隣接法律専門職団体である日本司法書士会連合会会長として率直な感想を述べる。

 

 緊急提言でいうところの、法科大学院を中核とする法曹養成制度の整備状況の未成熟に鑑み、数値目標にとらわれずに、法曹の質に充分に配慮すべく、弁護士人口の急増のペースダウンを求め、狭義の法曹人口の増員計画について再検討を求めるとの趣旨については、一定の理解を示すことができる。

 

 しかしながら、提言においては司法書士制度の在り方にも関する重要な視点が顧慮されていない。そもそも欧米諸国とは異なり、日本の法制度において法律事務を担う法律専門家としては、狭義の法曹三者だけではなく、いわゆる隣接法律専門職者が多種多数存在し、長年にわたり法律事務を取り扱うことを業として分担分掌してきているという我が国の司法・法務分野の制度実体に何ら触れられていないのは、残念である。

 

 実際、裁判その他の法による紛争解決においても、司法書士の簡易裁判所訴訟代理等関係業務の権限付与により、多重債務者救済問題等をはじめとして、国民への法律相談や紛争解決に大きな役割を果たし、すでに一定程度の国民の司法アクセスの拡充に寄与している現状には一切触れられていない。これら隣接法律専門職の存在や司法制度改革後のこれら隣接法律専門職者が挙げてきた成果を抜きにして、また、いまだ司法過疎の問題をいかに解決すべきかなど、法的 サービス全般にわたる総合的な分析をしないまま、ひとり弁護士だけの質をとりあげて一般化し、これを法曹の質の問題とし、弁護士のみを法曹として法曹人口増加の見直しが提言されていることは、在野法律家の中核を担う弁護士会の提言としては、些か偏面的であり説得力が欠けてしまう。

 

 司法制度改革の全体の統一的かつ調和のとれた実現をめざすという改革方針の実現のためには、我が国の司法制度における法律家を弁護士のみに限定して考えるべきではなく、隣接法律専門職の専門性を尊重し、その役割分担と業務分掌を正当に評価することによって、その結果として、弁護士人口の適正な数如 何は、自ずと決定されてくるはずである。

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