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会長声明集

2010年(平成22年)07月29日

大阪府の小規模金融特区構想に反対する声明

日本司法書士会連合会
会長 細 田 長 司

 
今般、大阪府は国に対し、小規模金融構造改革特区構想の提案を行った。
この特区構想は、改正貸金業法の完全施行に伴い、小規模事業者の短期資金の借入れが困難になったり、返済能力がある資金需要者(利用者)の借入れができなくなったりする恐れがあるため、アクセス自由な小規模金融市場を創設するなどし、府内の資金流動性を高め、すべての人々のチャンスを創造し、あわせて貸金業者(特区活用業者)負担による府独自の相談支援制度を創設するというものである。
しかしこの特区構想は、上限金利と総量規制の規制緩和を内容とするものであって、貸金業法改正の趣旨を完全に否定しており、これまで多重債務者の生活再建支援に取り組み、改正貸金業法の早期完全施行を求めてきた当連合会としては、到底容認することはできない。
当連合会は、多重債務者の生活再建支援に逆行する特区構想に強く反対し、以下の理由により、大阪府に対し、この提案を直ちに撤回するよう求める。
理 由
1.大阪府議会は、平成21年10月27日に改正貸金業法の完全施行を求める意見書を全会派一致で採択し、また大阪府内の全地方議会でも同趣旨の意見書が採択されており、この特区構想は、議会を通じて表明された大阪府民の声をないがしろにするものである。
2.改正貸金業法は、平成22 年6 月18 日に完全施行されたばかりであり、この実効性を検証するだけの期間が経過しておらず、その影響の度合いも未知数である。従って、今回の特区構想には合理性を見い出すことはできない。
3.大阪府をはじめ行政に求められているのは、まずは、国の多重債務問題改善プログラムに基づき、総量規制により資金需要を満たすことができない債務者に対しては、相談窓口へ適切に誘導することあるいは公的融資などの各種セーフティネットを充実させることに力を注ぐことである。安易な規制緩和を提案するこの特区構想は、その行政の責任を放棄したものと言わざるを得ない。
4.少額または短期の貸し付けの例外的扱いは、平成18年12月の改正貸金業法の成立時においても、また完全施行に至るまでの見直し議論においても度々俎上に上り、いずれも十分な議論が尽くされた上で見送られたものであり、この特区構想はその蒸し返しに過ぎず有効性は極めて薄いと言わざるをえない。
5.出資法の上限金利を超える貸し付けは刑罰の対象であり、地域あるいは全国展開の貸金業者の取扱店舗により刑罰の対象となるものが異なることは著しく公正性を害することとなる。

以上

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