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会長声明集

2013年(平成25年)08月22日

偽装質屋ヤミ金に関する会長声明

日本司法書士会連合会
会長 齋 木 賢 二

 

平成24年頃から,年金受給者を代表とする公的給付金受給者などの経済的弱者を狙った偽装質屋ヤミ金が激増し、全国に蔓延している。
偽装質屋ヤミ金(以下「偽装質屋」という。)とは,公安委員会に質屋の登録をすることによって,特例によって認められた年109.5%の利息を収受する脱法的「ヤミ金」である。
これらの偽装質屋の中には,平成18年の貸金業法改正前に違法な年金担保貸付を行っていた(地元零細)元貸金業者が多く含まれており,それらが質屋を偽 装し,同一店舗で看板を書き換えて営業している。これらは,形式的に質屋の外観を備えていても,実質的には質屋でないことは間違いなく,九州をはじめとし て,その被害は全国各地に広がってきている。
偽装質屋の特徴は,書面上,出資法の特例である,年109.5%の利息の範囲内を装っている事が多いが,その実態は,質屋営業法独特の計算方法を悪用し,出資法の特例をさらに超える利息を収受している。
偽装質屋の問題点は,①質屋営業ではなく,価値のほとんどない物品を質に取って金員を貸し付ける脱法的貸金業者,いわゆるヤミ金であること,②年金等の 公的給付金を担保にすることで経済的弱者を苦しめていること,③流質で処理するのではなくヤミ金同様の過酷な取立を行うこと,④独自な計算方法により超高 金利を徴収していること,⑤本来貸金の回収には利用出来ない銀行等の金融機関が互いに収納代行を行う自動送金システムを悪用していること,などである。
本来的な質屋営業であれば,質置物の価値に応じた金銭の貸付を行い,返済を怠った場合は,流質処分により,確実な回収が可能である。仮に、保管料などの 経費がかかるとしても,店舗を構えATMの維持管理をしている貸金業者の営業実態と比較すれば,金利について出資法の特例を残す合理的な理由はない。
これらの問題点を解決するには,質屋営業法を悪用されないものに改正することに加えて,許可を出している公安委員会や自動送金システムを実施している銀 行などの協力も必要である。そのため,当連合会は,以下のとおり,各関係機関に速やかに法改正及び運用改善をすることを求める。

 

1.質屋営業法を次のとおり改正すること
(1)貸金業法同様に年金担保貸付及び年金受給口座からの引き落とし又は自動送金を禁止する条項を追加すること

 

(2)流質処分によって,質屋と質置主との債権債務は消滅し,質置主への取立行為は全面的に禁止するとともに,違反した場合の罰則を設けること

 

(3)流質期限前の返済による質物の取り戻しによる利息は,厳格な日割り計算とすること

 

(4)質屋に関する特例金利を廃止すること

 

(5)質屋営業法に,貸金業法20条の2(公的給付に係る預金通帳等の保管等の制限)及びその罰則規定(同法48条の1項5の2号)と同様の規定を設けること

 

2.公安委員会は,新規の質屋営業の許可をする際に厳格な審査を行い,偽装質屋のこれ以上の蔓延を防ぐとともに,既存質屋の営業の実体を把握し,調査・監督をより積極的に行うこと

 

3.警察は偽装質屋を積極的に取り締まること

 

4.各地域の銀行等金融機関が互いに収納代行を行うシステムに関し,申込者時の収納企業又は個人の適正や利用目的などの審査を厳格に行い,ヤミ金に利用されないよう,その後の管理・監督も厳格に行うこと

 

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