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会長声明集
2022年(令和04年)05月18日
民事訴訟法等の一部を改正する法律の成立に関する会長声明
日本司法書士会連合会
会長 小澤 吉徳本日、民事訴訟手続等のIT化に関する民事訴訟法等の一部を改正する法律が成立した。
法律の内容は、オンラインによる訴えの提起、訴訟記録の電子化、ウェブ会議を活用した口頭弁論期日等の実現といったIT化に直結するものばかりでなく、当事者の申出により一定の期間内に審理を終えて判決をする手続の創設、犯罪被害者の氏名等の情報を相手方に秘匿したまま民事訴訟手続等を進めることができる制度の創設など多岐にわたる。
いずれも民事訴訟手続等が迅速化・効率化されるもので、国民が充実した裁判をより利用しやすくするために必要な改正である。
本法律の施行により、訴訟活動を追行するためには裁判所に書面を提出し、口頭弁論に現実の出頭をすることが求められてきた日本の裁判手続が大きく変わることとなる。
オンラインによる訴えの提起については、国民の裁判を受ける権利を保障するため、訴訟代理人に委任しない当事者のオンラインの利用が任意とされたが、IT機器の利用によって、民事訴訟手続を一層効率的に追行でき、郵送費用等を削減することができるうえ、ウェブ会議の利用は移動時間を短縮することもできる。したがって、より多くの国民がIT機器を利用することで、迅速かつ充実した裁判を実現することが可能となる。
こうした国民の利便性向上について、法案審議に際し、衆議院法務委員会、参議院法務委員会のいずれにおいても、その附帯決議において、本人サポート体制に関して、日本司法書士会連合会及び司法書士への強い期待が述べられた。当連合会は、これらを重く受け止めている。
司法書士は、全国の簡易裁判所所在地の98.9%に存在しており、不動産登記や商業法人登記のオンライン申請を17年以上行ってきた実績がある。また、全国の司法書士会は157か所に総合相談センターを設置し、国民の裁判を受ける権利を保障するための相談体制も構築している。
そこで、本法律の成立にあたり、当連合会は、全国の司法書士会、司法書士と一丸となって、民事訴訟手続等のIT化に関する本人サポートに取り組む所存である。