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会長声明集

2016年(平成28年)06月30日

あるべき奨学金制度に関する会長声明

日本司法書士会連合会

会長 三河尻 和 夫

 

 現在社会問題化している奨学金制度については、先般、「新たな所得連動返還型奨学金制度の創設について(第一次まとめ)」が公表され、さらに奨学金制度の拡充について提言されている「ニッポン一億総活躍プラン」が平成28年6月2日に閣議決定された。
 当連合会としては、これら一連の動きに関し、奨学金制度について一定の進展があったことについては評価する。
 しかし、「ニッポン一億総活躍プラン」で述べられている「有利子奨学金制度」については近い将来に廃止する方向で検討し、給付型奨学金制度を原則として、無利子奨学金制度を補完的に利用する運用とすべきである。
 さらに、これから創設される奨学金制度のみならず、現行制度を利用している奨学金利用者(返還中の利用者を含む。)に対しても、所得連動返済型奨学金制度や猶予制度を中心とした返済重視の制度設計ではなく、経済状況に応じた返済免除の制度や有利子奨学金の無利子化、保証制度の廃止等、過去、現在、未来にいたるすべての奨学金利用者の負担軽減措置を早急に検討すべきであり、奨学金を受給したために将来経済的な不安を醸成することがないようにしなければならない。
 また、高校生等について、部活、塾など本来の学費以外の教育費の負担が家計を大きく圧迫している状況にありながら、「ニッポン一億総活躍プラン」の「⑪希望する教育を受けることを阻む制約の克服(その1)」には、「高校生等奨学給付金を給付し、低所得世帯の授業料以外の教育費負担の軽減を図る。」と高校生等に対する支援策の記載があるのみで、本文中に具体的な施策の記載はない。
 現在、高等学校の教育費は低所得者については高等学校等就学支援(以下「就学支援金」という。)などの制度措置がなされているところであるが、上記の事情を踏まえると就学支援金の額については増額を検討すべきである。さらに、低所得者層のみならず中所得者層等、個々の事情を考慮した他の所得者層についても、高校生等奨学給付金を給付する等の支援も検討する必要がある。
 以上のとおり、当連合会は、教育を受ける権利(憲法第26条)の観点から今後も全ての子供が平等に教育を受ける権利を保障されるための活動を続けるとともに、早期に利用者の負担にならない本来あるべき奨学金制度の実現を強く要望する。

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