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総会決議集

市民が自律的に司法制度を利用することが可能な社会の実現を推進する決議

【議案の趣旨】

日本司法書士会連合会は、最高裁判所における裁判の迅速化に係る検証に対し、必要な意見を述べ、また、あるべき司法制度を研究してその成果を広く社会に問うために、これらの事項を扱う部署を設置し、これらの活動を積極的に推進する。

2013年(平成25年)6月21日
日本司法書士会連合会 第76回定時総会

【提案の理由】

  1. 司法制度改革に伴い、平成15年7月、裁判の迅速化に関する法律(以下「裁判迅速化法」という。)が施行された。
  2. これを受けて最高裁判所は、裁判迅速化法8条1項に基づき、裁判の迅速化に係る検証に関する報告書を2年ごとに公表しており、これまでに平成17年7月15日(第1回)、平成19年7月13日(第2回)、平成21年7月10日(第3回)、平成23年7月8日(第4回)の4回にわたり報告書を公表してきた。
  3. このうち第4回の報告書には、第一審民事訴訟事件及び家事事件を中心に裁判の長期化の要因の一つとされている本人訴訟への対応の強化策として、弁護士強制制度の導入について部分的導入の可能性も含め検討を進める旨の記述がある。
  4. しかし、このような弁護士強制制度の導入は、憲法32条に規定されている国民の裁判を受ける権利を侵害することになり、違憲の可能性がある。すなわち、弁護士強制制度の導入により、国民は、自己の権利の実現にあたり、自らの自由な意思のもとに、①自分自身で行う、②専門家に書類作成を依頼する、③専門家に代理を委任するなどの手続選択の自由を制限され、結果的に権利の行使を侵害されることになる。
  5. また、最高裁判所は、弁護士強制制度の導入の前提として、前記報告書において、「弁護士にアクセスできるにもかかわらず、自ら訴訟を追行したいと考える当事者の割合が増えてきている」と、代理人を介さずに司法制度を利用したいと考える市民が増加していることを認識している。それにもかかわらず、弁護士強制制度を導入するということは、最高裁判所自身が、市民の権利の制限のうえに裁判所の負担軽減を目的としていることをはからずも明らかにしているのである。
  6. さらに、司法書士の裁判所提出書類作成業務は、司法書士に簡裁訴訟代理権が付与される以前から司法書士法3条に規定されている業務であるが、弁護士強制制度の導入は、今後司法書士の業務が侵害されるおそれがあるという観点からも決して看過できない問題である。
  7. そこで、東京司法書士会では、平成25年5月18日開催の定時総会において、弁護士強制制度に対する研究を行い、意見提言をするための委員会の設置決議を全会一致で可決し、今後積極的な活動を展開していく予定である。
    しかし、この問題は、東京司法書士会のみならず、市民の権利の擁護を使命とする司法書士が全体で取り組まなければならない問題であると考える。
  8. 以上の理由により、本議案を提案する。

(経費と財源)
 なお、この部署を運営する経費は、事業費の中から支出する。

以上

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