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意見書等

2019年(平成31年)03月08日

経済産業省 中小企業庁事業環境部財務課 御中

「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」に関する意見書

日本司法書士会連合会

会長 今川 嘉典

 

 標記省令案につき,当連合会は,次のとおり意見を申し述べる。
 
1.個人の事業用資産にかかる相続税及び贈与税の納税猶予制度の創設に伴う改正
【意見】
 会社に限らず,個人事業主に対しても納税猶予制度を適用することには,賛成である。ただし,後継者が当該事業にかかる特定事業用資産の全てを取得していることとする認定要件については,全てを取得したケースに限定するのではなく,その要件を緩和すべきである。
【理由】
 相続税の納税猶予を受けるケースでは,後継者の要件を相続申請基準日において判断することになるが,相続人が複数いる場合に特定事業用資産の「全て」を取得しているためには,遺言があるか,遅くとも相続開始の日の翌日から5月を経過する日までに,遺産分割協議が整っていることが必須となる。相続人間で円満に協議ができるケースでは問題はないが,そうではない場合,納税猶予制度の適用要件を満たすために,遺留分をはじめ,相続人間の相続分の調整など後継者に不要な負担をかけてしまう懸念がある。特定事業用資産の一部が他の相続人との共有になったからといって,直ちに事業の継続が損なわれるものではない。この制度の本来の趣旨である,事業を円滑に承継すること,さらにはそれを一層後押しするための改正であることを鑑みると,後継者が事業を継続することに加え,後継者が事業の用に供する資産全てを取得することまでを要件とするのは過剰であると考える。例えば,特定事業用資産の定義上,宅地や建物には面積の上限があることから,これを超える部分を他の相続人が相続するケースなどを許容すべきである。あえて後継者が特定事業用資産の全てを取得していることを要件とせずとも,納税猶予を満額受けるためには,自ずと後継者が特定事業用資産の全部を取得することとなり,贈与税の納税猶予についても同様に,必ずしも全てを一括で贈与する場合に限る必要はない。
 よって,後継者が特定事業用資産の全てを取得していることとする要件を緩和し,後継者が取得した特定事業用資産の範囲において納税猶予を適用するとすれば足りると考える。
 
2.事業承継税制の手続きの簡素化等
【意見】
 利用者に過度な負担がかからぬよう手続きを簡素化することについては,賛成である。
 

「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」に関する意見書(PDF)

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