成年年齢引下げ

部屋を借りる

2021年4月(改正法施行前)、Aさんは県外の大学へ通うためアパートを借りました。契約をしたときは未成年(18歳)でしたが、Aさんを契約者とし、Aさんの親が連帯保証人となり、賃貸借契約を交わしました(※)。

※大家さん(賃貸人)の考えにもよりますが、収入のない学生本人と契約するよりも、学生の親を契約者とし別生計の親戚等を連帯保証人とすることが要求される場合もあります。

1年後、Aさんは別のアパートに引っ越そうと考えましたが、親等の同意なしに今のアパートの賃貸借契約について解約の申し入れをすることができるでしょうか。

できます。
Aさんは既に成年である以上、契約を交わすことも、解約することもできます。ただし、アパートの部屋を借りた場合には退去の時に、部屋の汚損や毀損などの修理費用など、金銭の清算手続きが生じることがあります。

2022年4月以降(改正法施行後)、Aさんは一人で賃貸借契約を交わすことができるでしょうか。

できます。
2022年4月1日時点で19歳の人は成年となりますから、賃貸借契約をAさん一人で交わすことは可能と考えられます。ただし、学生であるAさんには家賃の支払い能力が十分にあるとは言い難いので、賃貸借契約を結ぶにあたり、親等が連帯保証人となることを求められることは考えられるでしょう。

連帯保証人とは(民法第454条)

普通の保証人とは異なり、大家さん(賃貸人)から家賃等の支払いを請求された場合、まず借主(賃借人)に催告するよう主張したり、先に大家さんに借主の財産から未払い家賃等を回収するように主張する権利がなく、直ちにこれに応じて支払う義務を負っている人のことです。

Aさんは賃貸借契約時に礼金と敷金を支払っていますが、解約時、敷金と礼金は戻ってきますか。

礼金は戻ってきません。
契約時に説明があったかと思いますが、礼金の支払いに関する明確な根拠はありません。一般的に賃料の一部前払い等として借主(賃借人)から大家(賃貸人)に支払われるもので、返還を要しないものと言われています。

敷金は原則戻ってきます。
敷金は礼金と同様賃借人から賃貸人へ交付されるお金ですが、礼金と違い賃貸借契約終了時に返還されます。ただし、未払いの家賃や特別な修繕の必要等が発生した場合、その損害額等が控除されます。また地域により契約の更新時に返還不要の更新料の交付が定められている場合もありますが、一般的に高額すぎるなど特別な事情がない限り有効なものとされています。いずれにせよ、解約時にトラブルが発生することのないよう、賃貸借契約時にはよく契約内容を確認することが重要となります。