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会長声明集

2016年(平成28年)02月05日

消費者庁・消費者委員会・国民生活センターの地方移転に反対する会長声明

日本司法書士会連合会

会長 三河尻 和 夫

 

 政府は、人口急減・超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対し、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生できるよう、地方創生の深化を目指す政策「地方への新しい人の流れを作る」の施策の一つとして、政府関係機関の地方移転を推進しているところであるが、地方創生についてのこれらの政府政策には、基本的に賛成するものである。

 また、政府関係機関の地方移転については、移転に伴う弊害・問題点がある場合、それを上回る必要性・効果があると判断されれば、弊害をできるだけ少なくする措置を講じたうえで移転を行うとされ、中央省庁・独立行政法人の事業実施機関の移転については、『①危機管理に関わるものでないこと』『②国会や他省庁との対面業務が必須でないこと』『③政策の企画立案・実施に効果が期待できること』等の条件を総合的に勘案して検討することとされているが、この方針についても是認するものである。

 しかし、今般この政府政策に沿って検討されている消費者庁・消費者委員会・国民生活センターの徳島県への移転については、次のとおり政府政策の考え方から外れているものと言わざるを得ないため、これに強く反対する。

 

 第一に、消費者庁は、消費者の安全に関する重大事故発生時には、その危機管理の担い手として、官邸と連絡を取りながら関係省庁と連携して事態に対処する必要がある。
 近時のホテル等が提供する料理等のメニューの偽装表示の問題や不正流通されたカツ等の問題を見ればわかるとおり、常に緊急事態を想定しなければならないことは明らかであろう。
 したがって、前記『①危機管理に関わるものでないこと』の要件を満たさない。

 

 第二に、消費者庁が、消費者行政の司令塔として推進するためには、関係省庁との密接な連携は不可欠であり、関係する法改正作業を迅速かつ頻繁に行うためには、国会対応も不可欠なものである。
 また、消費者委員会は、消費者問題について、自ら調査・審議を行い、消費者庁を含む関係省庁の消費者行政全般に対して意見表明を行う役割を担っているが、その権限を行使するためには、関係省庁との協議も不可欠なものである。
 さらに、国民生活センターは、全国の消費生活相談情報を集約・分析し、その情報発信をすることにより消費者行政を支援する役割を担っているが、これには消費者庁及び消費者委員会と密接に連携することが不可欠なものである。
 司法書士がこれまで取り組んできた消費者問題の解決に向けた活動の経験から、消費者庁がその役割をしっかりと果たすためには他省庁等との連携・協議等が極めて高い頻度で行われる必要があり、国会や他省庁等との対面業務は必須なものと考えている。
 したがって、『②国会や他省庁との対面業務が必須でないこと』の要件は満たされていないと考える。

 

 最後に、消費者庁が、消費者法制度について迅速な企画・立案・実施を行うためには、前述のとおり対面による交渉等が必須であるから、各省庁等と物理的に近接していなければ、迅速な消費者政策の企画立案や実施に効果が十分に期待できないことは明らかである。
したがって、『③政策の企画立案・実施に効果が期待できること』の要件も満たさないと考えられる。

 

以上の理由から、消費者庁・消費者委員会・国民生活センターの移転計画は取り止めるべきである。

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