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会長声明集

2015年(平成27年)03月24日

災害公営住宅の入居について連帯保証人を不要とすべきとする会長声明

日本司法書士会連合会
会長 齋 木 賢 二

第1 声明の趣旨
 東日本大震災の発生から4年が経過したが,いまだに多くの被災者が仮設住宅での生活を余儀なくされている。一方,被災各自治体では,防災集団移転促進事業等による住宅再建のほか,災害公営住宅の整備も進められ,具体的な入居募集も行われている。この災害公営住宅については,入居の申し込みに際し「連帯保証人」を必要としているが,当該入居契約においては連帯保証人を不要とすべきである。

 

第2 声明の理由
1.公営住宅法は,「国及び地方公共団体が協力して,健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し,これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し,又は転貸することにより,国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与すること」を目的として定められたものである(同法第1条)。
 各自治体における「公営住宅条例」等を制定する際の参考として示された通達である「公営住宅管理標準条例(案)について」(平成8年10月14日建設省住総発第153号住宅局長通達)第10条第3項においては,「入居者の努力にかかわらず,保証人が見つからない場合には,保証人の免除などの配慮を行うべきである。」と解説されている。これは,通常の公営住宅の賃貸においても,保証人を見つけることが難しい場合の配慮を求めているのであり,災害公営住宅のような,特別な状況の中では連帯保証人を求めることは困難であるから,より積極的に保証人を要しないとする対応が必要である。
 
2.しかるに,自治体の公営住宅条例が「連帯保証人を免除する場合の規定」を設けているにもかかわらず,災害公営住宅の入居申込みにおいて「連帯保証人は必須である。」との対応がなされているとすれば,条例に従った適正な運用であるかどうかについて,根本的に疑問がある。さらに,復興が進むにつれ,仮設住宅に残らざるを得ない被災者は,高齢者や収入の少ない生活困窮者の割合が増加するものと思われることから,災害公営住宅には,より安定した居住を確保するための役割が期待されている。
 
3.したがって,連帯保証人が見つからないという理由で入居できないという事態は,被災者の生活再建に向けた意欲を削ぐこととなるので,災害公営住宅の入居には連帯保証人を求めないこととすべきである。

以 上

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