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総会決議集

違法年金担保融資に対する罰則規定の制定を求める決議

日本司法書士会連合会は、貸金業の規制等に関する法律に、「印鑑、預貯金通帳、キャッシュカードまたは、年金受給証等の債務者の社会生活上必要な証明書を徴求する行為」及び「債務者に給付されるべき年金について、債務者にかわってその年金を銀行等から払い出し或いは自動引き落としにより事実上直接年金を取得する行為」を禁止する規定を設け、違反行為に対する罰則規定を制定することを求める。

 

以上のとおり決議する。

2004年(平成16年)6月25日
日本司法書士会連合会 第65回定時総会

【提案理由】

  1. 現在、大阪を中心として全国各地で「違法年金担保融資」が横行している。
  2. 「違法年金担保融資」とは、貸金業者が、「年金立替」「中高年優遇」等の文言を用いた新聞広告や折り込み広告などで高齢者・老齢者を誘発すると共に、貸付に際して預金通帳や銀行印並びにキャッシュカードを預かり、厚生年金・国民年金等の年金や生活保護・児童扶養手当・障害者手当・原爆手当等の各種手当の受給権を事実上担保にとり、貸金業者自ら自動振替又は年金を引き出すことによって直接受給権を取得し、もって貸金の弁済に充てる営業行為のことをいう。
  3. 現在、貸金業の規制等に関する法律では、その行為を禁止する規定がなく、金融庁の事務ガイドラインにおいても、印鑑、預貯金通帳、キャッシュカード、運転免許証、健康保険証、年金受給証等の債務者の社会生活上必要な証明書等を徴求することが禁止されているに過ぎない。違法年金担保業者は、法律上罰則規定がないことを奇貨としてガイドライン禁止規定を無視し、高金利融資の回収を容易かつ確実ならしめるべく事実上担保として拘束しながら年金の支配・管理を長期にわたって継続し、高利の貸付契約を繰り返している。生活の収入基盤を違法年金担保業者に奪われた高齢者等は、まさに困窮に追い込まれている。
  4. これらの行為は、憲法25条が定める国民の生存権をも脅かすものであり、高齢者・老齢者の基本的人権をも侵害する行為である。また、社会保障上制度化されている、国民年金法、厚生年金保険法、児童手当法等の法律で定められた受給権の譲渡・差押・担保設定の禁止条項に違反する不法行為である。法律家である私達司法書士は、人権擁護の見地からもこのような違法行為を看過することができない。
  5. よって、このような違法年金担保融資を速やかに根絶し、被害にあっている高齢者・老齢者の人権を守るため、標記の決議を求める次第である。

以上

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