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総会決議集

「司法書士による任意整理の統一基準」を求める決議

【提案の趣旨】

司法書士が多重債務者の任意整理に関与するにあたり、その事件処理を統一し、適正な事件処理を行うことにより多重債務者の経済的再生に資するために、決議する。

 

2004年(平成16年)6月25日
日本司法書士会連合会 第65回定時総会

【提案の理由】

従前より司法書士は、多額の債務の負担に苦しみ、経済的にも社会的にも苦境に立つ国民の法的救済を図り、また国民の社会生活再建を法的に支援するために多重債務者の債務整理に取り組んできた。また、昨年施行された改正司法書士法により、簡易裁判所代理権を取得した後には、私的整理(いわゆる任意整理)に精力的に取り組んできており、その有益な活動は益々盛んになっている。

 

多重債務者について、債務を整理して経済的更生を図ることは、本人自身の利益にかなうのは無論のこと、経済的な困窮から起こる犯罪や家庭の崩壊などを防止し、国民全体の利益である公共の安寧秩序を維持する観点からも、必要不可欠である。そして、社会生活の基礎的な単位である個人及び家庭を経済的に再建することは、当該個人及び家庭だけでなく、社会保障費を負担する国民全体にとって極めて重要な関心事であり、その最初の一歩である司法書士による債務の整理は単なる私益の問題でなく、国民全体、すなわち公共の立場で行われているものである。

 

多重債務者について、司法書士の手によって任意整理しようとする場合、すべての債権者からその最初の取引から現在までの取引経過の開示を受けた上で、各債権者との間の債権債務額を確定し、公平で平等な処理をはかるものでなければ、その目的を達しないことは明白である。

 

そこで、多重債務に苦しむ国民の生存権及び幸福追求権を擁護することを責務とし、公正な社会の実現を使命とする司法書士として上記債務整理の公共性を重視し、多重債務者の任意整理の事件処理の統一基準を明らかにするため本議案を提出するものである。なお、この基準は、他の団体(弁護士会等)においても同様に採用されている。

 

司法書士による任意整理の統一基準

1. 取引経過の開示

  当初の取引よりすべての取引経過の開示を求めること
  取引経過の開示は、金融庁の事務ガイドラインにも明記されており監督官庁からも業者に対し徹底する
  ことが指導されている。もし取引経過の開  示が不十分な場合、和解案が提案できないことを通知し、
  監督官庁(財務局、都道府県知事)等へ通知する。

 

2.残元本の確定

  利息制限法の利率によって元本充当計算を行い債権額を確定すること。確定時は債務者の最終取引日を
  基準とする。

 

3.和解案の提示

  和解案の提示にあたっては、それまでの遅延損害金、並びに将来利息は付けないこと
  債務者は、すでにこれまでの支払が不可能となり、司法書士に任意整理を依頼してきたものである。
  担当司法書士としては、債務者の生活を点検  し、無駄な出費を切り詰めて原資を確保し和解案を
  提案するものであり、この残元本にそれまでの遅延損害金、並びに将来利息を加算することは弁済計画を
  困難とならしめる。したがって、支払については、原則として遅延損害金並びに将来の利息を付けない。

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