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意見書等

2005年(平成17年)11月11日

内閣官房司法制度改革推進室 御中

法令外国語訳・実施推進検討会議中間報告についての意見募集について

日本司法書士会連合会
会 長 中 村 邦 夫

 

 

時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
今般、貴推進室より意見募集が行われている「法令外国語訳・実施推進検討会議中間報告」につきまして、当連合会国際交流支援対策部において意見を取りまとめましたので提出いたします。

 

 

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2005年11月11日

 

 

内閣官房司法制度改革推進室 御中

日本司法書士会連合会
国際交流支援対策部

 

 

国際化社会に対応するため日本法令を国際的に発信するとの目的で、日本法令の外国語訳を推進される貴推進室のご努力を高く評価し、貴中間報告書の章立てに従い、次のとおり意見及び要望致します。

 

 

1.法令外国語訳に関する意見及び要望
1) はじめに
法令外国語訳(特に英語訳)の必要性及びニーズに対しては異論のないところであります。問題は、日本語の表現を英語に置き換えた場合必ずしも適切な訳にな らない場合があるということ、また、英語のニュアンスと日本語のニュアンスが微妙に異なることもあり得、更に外国には無い法制度をとっている場合の訳語を どうするかということです。
例えば、私ども「司法書士」というものの存在が、韓国・台湾以外の国では理解されにくいという問題があり、「出入国管理及び難民認定法」で定める在留資格 の内、「法律・会計業務」でいうその他法律上資格を有する者の中に司法書士が含まれ、「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令」 中の基準の中に司法書士が弁護士の次に掲載されております。
このような場合、司法書士をどのように訳せば外国に理解されるかですが、単に法律家というひとくくりで翻訳した場合、司法書士というものがおよそ理解されなくなるでしょう。
このように、法文上直接ないし間接に司法書士が関わっている場合の翻訳に関しては、是非私ども日本司法書士会連合会にお問い合わせ願いたいと存じます。

 

 

2)基盤整備の必要性
翻訳の基盤整備の必要性に関してはそのとおりと考えます。

 

 

3) 翻訳のための基本原則(翻訳ルールの策定)
(1)基本的考え方
「翻訳ルールは,基本的には関係府省,民間団体等において翻訳を行う際の参考となるガイドラインとし,関係府省等がこれに準拠して翻訳を行った場合でも, これを公定訳とはしない」とのことですが、今般の外国語訳推進事業が海外からの投資を促進すると同時に投資者とのトラブルに備えるための事業であることか ら、関係者の間で相当な額の資金投入に対する合意がほぼ得られているにも拘らず、その成果物に公権的な解釈を入れないつまり公定訳としないというのであれ ば、何のために国を挙げて外国語訳を推進するのか国民には理解しがたいのではないでしょうか。従って、極力公定訳を目指すべきではなかろうかと考えます。
法令自体法解釈の分かれる条文もあるので公定訳が難しいとの意見もあろうかと思いますが、その場合条文訳のほか脚注も入れ脚注自体も翻訳するようにして日本法令を広く世界に発信し、国際社会に我が国の法制度が正確に理解されるよう努力する必要があろうかと考えます。

 

 

(2)翻訳の基本スタンス
意見に賛成です。

 

 

(3)標準対訳辞書
意見に賛成です。特に、「日本語の用語等をそのままローマ字表記のみで表示することは,英語を母国語とする者の理解を困難にするという指摘がなされてお り,特段の必要がない限り,行わないものとすべきである。」ということについては、私どもも司法書士を「shiho-shoshi lawyer」と訳していますが、この訳自体適切か否か現在見直し中です。
外国に理解されにくい日本の法律家制度を紹介ないし翻訳する場合には、弁護士と類似した司法書士をはじめとした専門職についての訳語に注意しながら、日本の法制度を外国に理解してもらう必要があると考えます。

 

 

(4)翻訳ルールへの準拠性の確保
翻訳作業に段階を設け、工程表を作成し、第1次訳ができた段階で関係部署や団体等から意見募集することで更に翻訳の精度を上げるようにすべきであると考えます。

 

 

4) 翻訳推進の在り方
(1)基本的考え方
すべての法令の外国語訳を政府が手がけるというのが理想であると考えますが、膨大な数の法令の外国語訳を政府のみが手がけるというのでは、多分迅速な対応ができないでしょう。そこで、民間等で翻訳したものを監修していく方法も採用すべきであると考えます。
更に、民間には数多くの法令翻訳が存在し、政府がより多くの法令の外国語訳を広く海外へ提供し且つ翻訳が公定訳ではなくデェファクトスタンダードでよいと の考えであれば、政府で翻訳する必要はなく民間翻訳を政府が買取り、これに修正を加えることでよいはずです。政府が買い取ることにより民間にインセンティ ブを与えることになり、一層の翻訳が民間で行われ、経費削減にもなり且つ民間活力にも役立つものと考えます。

 

 

(2)政府による翻訳整備の具体的な在り方
限られた資源や人材を投入しての翻訳作業であることから、法令訳に優先順位を設け、翻訳にあたっては、まず実体法を翻訳しその後にその実体法に関連する手続き法を翻訳するという順序が望ましいと考えます。

 

 

(3)政府による基盤整備後の翻訳推進の在り方
定期的なメンテナンスがなければ、翻訳としての価値が減価することになります。専門作業チームによる定期的なメンテナンスを実施することを要望致します。

 

 

5) 法令の翻訳の利用(アクセス)を容易にする体制の整備
(1)基本的考え方
基本的考え方に賛成です。

 

 

(2)インターネットの活用等によるアクセス体制の整備
翻訳に誰でも簡単にアクセスするためには、政府のホームページ等を利用してインターネットでアクセスできる環境を整備すべきであると考えます。

 

 

6) 翻訳ルールの維持等について
事業の永続性を確保するためにも、具体的な受け皿を作るべきで、専門の独立行政法人を設立し、統括的な組織として位置づけるとともに、民間から情報を得るなどの協力体制をとるべきであると考えます。

 

 

2.法令整備計画の対象とすべきであると考える日本法令(法令名等)及びその理由について
1)司法書士法
2)理由
司法書士は法律専門職の中でも、特に不動産登記及び商業登記の専門家です。外国企業が日本に投資する場合、登記は欠かせない手続きですが、その担い手が誰 なのかの理解がないと投資を検討する入り口の段階でとまどうことになります。登記制度は国の根幹に関わる制度であり、不動産登記法と商業登記法を政府が外 国語訳の対象に取り上げていることは当然であると考えますが、その登記制度の担い手としての司法書士法の外国語訳も登記制度を支えるものとして必然であり ます。
更に、簡裁訴訟代理等関係業務や成年後見業務でも積極的に取り組み、広く司法制度を下支えする資格者として国民に密着している法律家である司法書士を規律 する司法書士法を、不動産登記法及び商業登記法の翻訳と平行してまたはその次の順位の法令整備計画対象として取り上げるべきであると考えます。

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