consulting Case5 会社の業務に支障をきたすため、『無断欠勤の多い社員を解雇』したい

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Case5 会社の業務に支障をきたすため、『無断欠勤の多い社員を解雇』したい


相談者

当社の就業規則では、「5日以上の無断欠勤」を懲戒解雇事由として定め、この場合は解雇予告をしないという規定になっています。つい先日も1週間の無断欠勤がありました。この社員を解雇しても問題ないでしょうか?


司法書士

お困りなのはよくわかりますが、懲戒解雇はそんなに簡単に認められるものではありません。労働契約法第15条では「当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」と定められています。ですから、就業規則の懲戒解雇事由に該当する行為があったとしても即、懲戒解雇が有効となるわけではありません。


相談者

1度や2度の無断欠勤なら大目に見ますが、回数が多い上に、注意しても全く改善する気配がなく、他の社員にも大きな負担となっています。


司法書士

場合によっては懲戒解雇することもできるかもしれませんが、より詳しく実態をご説明いただき、この問題は慎重に検討する必要があります。


相談者

この社員は無断欠勤だけでなく、遅刻も常習で、勤務態度も問題が多く、会社の業務に支障をきたしているので、懲戒解雇は当然だと思うのですが。


司法書士

経営者のお立場から、心情的にはそうかもしれませんが、懲戒解雇が有効となるためには、就業規則に規定があって、これが妥当なもので従業員に周知されているだけでなく、その規定に該当する違反行為などがあり、さらに懲戒処分とするための有効要件を備えている、という条件をすべて満たす必要があります。社員にとって、とても重い処分ですので、そう簡単に懲戒解雇はできないようになっています。


相談者

それでは、その違反行為などに照らし合わせて、解雇処分が本当に妥当なものかどうか、慎重に判断しなければならないということですね?


司法書士

そのとおりです。懲戒解雇の無効を主張されたときには、いま申しあげた事由について証明する必要がありますので、あくまでも慎重に検討してください。


相談者

こちらも後々のトラブルは避けたいので、冷静に事実を検討したいと思います。


司法書士

即日解雇の規定が就業規則にあったとしても、「労働者の責に帰すべき事由」について所轄労働基準監督署長に「解雇予告除外認定申請」をして、その認定を受けなければなりません。場合によっては解雇予告をするか、30日分以上の平均賃金にあたる解雇予告手当を支払うこともありますから、その点も注意してください。

資料室

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