日本司法書士会連合会について 情報公開

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意見書等

2004年(平成16年)10月20日

法務省大臣官房秘書課政策評価企画室 御中

「法務省が所管する分野における事業者等が取り扱う個人情報の保護に関するガイドライン(案)」に対する意見

日本司法書士会連合会

 

 

はじめに
日本司法書士会連合会(以下『日司連』という。)は、個人情報保護の必要性を強く認識するものである。司法書士は、業務 に関し高度な守秘義務を持ち、個人情報の保護にも高い自覚を持って業務に当たってきた。その点から、このガイドラインに示されていることは、原則的には、 当然の留意事項であり、ガイドラインの趣旨には基本的に賛成する。
しかしながら、国民の正当な他の権利との調和には、十分な配慮が必要と考える。また、中小零細事業者にとって過大な負担となれば利用者負担が増し、国民の利益に反することになる。このような観点から、日司連は意見を提出するものである。
なお、日司連としては、自らを含め、司法書士会及びその会員に対しても、個人情報保護に関する一定の規律文を自主的に示すことを準備している。特に、今回 の不動産登記法改正に伴う本人確認情報及び登記原因証明情報の適正な取り扱い、登記識別情報の漏洩防止等も個人情報保護に密接な関係を持つことから、これ らにも十分に考慮し規律を作成する予定である。

 

 

各論として
原則として賛成することは前記に示したとおりである。ここでは、特に配慮を必要とする部分に限って以下のとおり意見を提出するものとする。
・第1条の説明について
このガイドラインは、法務大臣の権限行使の基準でないことは明記されているが、個人情報漏洩等の事故等が起こった場合にガイドラインに反することのみをもって懲戒の対象とすることがないことも、明記すべきである。
・第2条の説明について
当該ガイドラインは、法に規定する「個人情報取扱事業者」に限らず、5000件未満の個人情報を取扱う者も対象としている。訓示規定として取り扱われるこ とを明確にすれば問題はないと考えるが、強行規定として作用する可能性がある場合には、小規模事業者に過大な負担にならないように特段の配慮をすべきであ る。特に「法務省関係事業者等」には、法務大臣の監督権限が及ばない事業者等を含まない旨の記述が説明文にあることを考えると、第1条の説明にかかわら ず、監督権限に密接に関係すると解される。その場合には、「法」よりも大きい規制を受けることになり、大多数が小規模個人事業者の司法書士にとっては、過 大な負担となる可能性がある。
また、「法」の規制を受ける「個人情報」の個数の考え方であるが、ガイドラインの説明によれば、「その情報だけで は特定の個人の識別をできなくても、他の情報と容易に照合することができ、それらを組み合わせることにより、特定の個人を識別するものも含まれる。」とさ れている。司法書士にとって事件簿の記載から添付書類の戸籍などの情報に到達することができ、それらを全て個人情報として数えると、その数は、事件一件に 対して数十人の個人情報としてカウントされる可能性があることになり、結果としてほとんど全ての司法書士が「法」の対象とする「個人情報取扱事業者」に なってしまう。小規模個人事業者に過大な負担にならないように配慮していただきたい。
・第3条の説明について
利用目的の明確性は、定款 に記載されている目的程度の特定では足りないとされ、一方では、利用目的を多数書くことは、分かり易さの点から見ると問題があることになる。日司連及び司 法書士会においては、会員情報の利用目的は多岐に渡り、事前に利用目的を明確にすることは困難であり、逆に会の運営に支障をきたすことも考えられる。ま た、日本司法書士会連合会及び司法書士会においては情報開示義務があり、会員情報においてもある一定の情報開示が必要である。会員については、ことさらに 利用目的を明記することは求めない制度とすべきである。
・第4条第5項第1号について
正当な利益を害する恐れがない場合でも、無用の混 乱を避けるため、若しくは依頼者の個人秘密情報の拡散を防ぐ場合なども、正当事由になるように説明文に明記してほしい。(例として、相続登記などに当たり 入手した戸籍などには、当事者以外の個人情報も含まれているが、それらの全てに通知することは無用な情報を開示することになり、又、費用負担も多大にな る。)また、訴訟などの相手方に対しては、訴訟を通じて明らかにすべきであり、個別の通知を要しないことを説明に明記すべきである。
・第6条の説明について
安全管理措置の例示がされているが、小規模個人事業者にとって過度な負担にならないように配慮願いたい。
・第8条の説明について
「個人情報保護管理者」の設置は強制的なものと受け取れるが、小規模個人事業者にとって過度な負担にならないように配慮願いたい。
また、「個人情報保護管理者」は、対外的に責任を持てるものが選出されることが望ましいとされている。この見解によれば、特に日司連若しくは司法書士会に おいては会の執行部が選出されることが望ましいと思われるが、そのような理解でよいか。別の見方をすれば事務局の長を責任者とするほうが、運用面では優れ ていると考える。
・第11条第1項について
守秘義務を負う専門家間の個人データの提供については、除外規定をおくべきである。
個人情報保護に十分な自覚を求めるとともに、業務の機動的対応にも配慮すべきである。また、本人の同意を得ることが困難な場合とは、物理的なことだけではなく、立場的な困難性(紛争相手方等の利害対立人等を含む)も含むことを本文若しくは説明に明示すべきである。

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